会長挨拶

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循環経済協会は、限りある天然資源を有効活用しながら持続的に発展可能な「循環経済社会」の実現に向けて、「循環経済型ビジネス」の開発・実装を推進するために設立された団体です。

有史以来、私たち人類は、様々な資源を活用し、豊かな社会を築き上げてきました。近代工業社会への移行により、動力源や機能材・素材としての資源が大量に必要とされ、現代では豊かな社会の実現に欠かせないものとなっています。一方で、こうした資源には限りがある中、現在の豊かな生活をどのように維持、発展させるのか、人類の知恵が問われています。

2011年、国連環境計画(UNEP)は、資源の大量消費に依存しない経済発展のあり方を提唱しました。また、新興国政府が廃棄物等の輸入を規制し始めたり、各国でプラスチック利用を見直す動きが始まったりなど、廃棄物を大量に発生し続けながら発展する経済のあり方が見直されつつあります。また、新型コロナウイルスの大流行によって生活のデジタル化が加速したことは、「循環経済社会」が目指す「コト消費(モノを消費するのではなく、機能を消費する)」や複数主体間における情報連携の追い風にもなっています。

中国が2008年に「循環経済促進法」を制定し、欧州連合(EU)は2015年に「Circular Economy Package」を策定しました。また、2018年には循環経済に関する国際標準化組織として「ISO/TC323(Circular Economy)」が設置されました。日本でも2020年に「循環経済ビジョン」を発表したところです。

資源効率性の向上や事業者間連携等といった「循環経済社会」で要求される様々な社会的要求を満たし、さらに新たな競争力を備えた「循環経済型ビジネス」の開発・実装が求めれています。日本では、これまで資源循環を促進するために「3R(Reduce(廃棄物の発生抑制)、Reuse(繰り返し使う)、Recycle(リサイクル))」を重視してきましたが、今後はこれに加え、限りある資源から最大限の付加価値を提供するようなサービスの開発や提供、またこれを実現する新たなビジネスモデルの創出が求められます。その結果として産業構造の変革が起こると予想されます。

当協会は、こうした資源効率性の向上や事業者間連携を実現する新たなビジネスモデルの開発や実装拡大に向けて、国内外における企業や団体、また政府や自治体等への情報提供や支援を行ってまいります。また、「循環経済型ビジネス」の開発や実装に関心を寄せる個人の方々にも学びの機会を提供してまいります。当協会の趣旨をご理解下さり、一緒に「循環経済社会」を作り上げていこうとする方のご入会をお待ちしております。

代表理事/会長 中村崇